他社の選考状況、面接でどう答える?

就職活動の面接で、他社の選考状況をどのように伝えるべきなのでしょうか?
受け答えの仕方をご紹介しています。
1.面接官が他社の選考状況を聞く理由
面接官が志望者に他社の選考状況を聞くのには明確な理由があります。
それは端的に言えば、「志望者がしっかりと自分たちの会社の業種を希望しているか」を確認するため、ということになります。
面接官がこの質問で探ろうとしているのは、志望者がどれくらい自社の所属する業界に関心があるかです。
そのため、バラバラの業種の会社を複数受けているような志望者は、必然的に評価が下がることになります。
反対に、受けている会社が同業種で固められているのならば、志望者が「この業界でやっていきたい」と考えているのだと判断できるため、採用される確率も上がります。
就活において、複数の企業を受けることは避けられません。
それは会社側もわかっていますから、それだけに、一貫した志望軸を持っているかどうかを重視します。
志望企業が業種がバラバラの有名企業ばかりであったりすると、ミーハーなだけと思われても仕方がないでしょう。
このように、「他社の選考状況」への質問は、答え方次第で採用・不採用を左右する大きなポイントです。
会社としては、どこでもいいから受かりたいと考えている人よりも、やる気のある人を採用したいと考えるのは当然です。
2.他社の選考状況はこう答えよう
前項でも述べたように、受けている会社がバラバラの業種であることはかなり評価を下げることになります。
「この業界で働きたいのではなくて、いい加減な理由で受けただけなんだな」と思われてしまっては、受かるものも受かりません。
そのためまずは、志望企業を受けた理由をしっかりと説明できるような、志望の「軸」を答えとして用意しておくことが大事です。
例えば海運業界を受けるのであれば、「世界的なサプライ・マネジメントへの関心があるため、海運・倉庫の業界を中心にして受けています」というように、サプライ・マネジメントという軸をハッキリと示します。
この時、自分で説明したこの軸に合致しない企業まで、正直に答える必要はありません。
あえて「他の企業は?」と聞かれない限りは、余計なことは黙っておくのも面接のテクニックです。
軸を説明できないなと感じたならば、「○○企業を中心に受けている」とだけ答えた上で、受けている会社の中からそれに当てはまる企業だけを並べるようにしましょう。
それだけでも、業種への志望度のアピールにはなります。
3.志望動機の語り方
実際の就活において、特定の業種だけを受けるのは難しいですが、企業としては自分たちの業種への関心が高い人を取りたいと考えます。
そのため、他社の選考状況の質問に答える時には、「一貫した軸」か「特定の業種」の中で説明できる企業だけを挙げるようにしましょう。
もちろん、全ての企業に納得のいく説明ができるというのならば別ですが、その場合でもそれを語らせてもらえるとは限りませんから、あまりオススメはしません。
答える会社は、基本的には5から6社ほどあれば十分です。正直に全部を答えていると、どんどん合格が遠のいて、更に志望企業が増えることになるでしょう。
また、志望動機として軸を挙げることができても、面接官はさらに「なぜその軸で会社を受けることにしたのか」を聞いてくることも考えられます。
その場で返事に困らないように、志望軸を選んだ理由も答えられる必要があるのです。
先ほどの海運での例の場合では、「なぜサプライ・マネジメントに興味を持ったか」までが考えておくべき範囲となります。
ここで論理的な説明ができないと、いい加減な動機なのだと判断されてしまいますから、時間をかけてじっくりと説明を考えておきましょう。
4.解答の手順(IT系の場合)
他社の選考状況を聞かれた場合には、「NTTデータ・Oracle・CTC……などです」と、まず最初に受けている会社をはっきりと並べます。
先走って理由の説明から入ってしまってはいけません。
まずは、質問されたことに答えるのが面接の基本です。そのうえで、例えば「ビジネスをITの観点から支援し、経営の効率を最適化していけるような企業を中心に志望しています」といった志望軸までを一度に答えられると満点です。
当然そこで質問が終わればそれで大丈夫ですが、さらにその先を聞かれた場合には、「なぜ」を説明する必要が出てきます。
そこで、先ほど語った理由である「ビジネスをITの観点から支援していく」という軸に興味を持った理由として、「大学のゼミでITを利用したビジネスモデルの改革を研究していたことで、ITが経営を変えていく過程への関心が高まり、ITを使ったビジネスの支援を行っている企業への就職を志望するようになりました」など、具体的な説明を展開していきましょう。
この部分の説明がしっかりできていれば、それだけ業種への志望度をアピールすることができます。
内容に自信がなくとも、とにかく感情をアピールするということを意識して説明は行いましょう。
実際のところ、面接官が見ているのは何よりも志望者の熱意ですから、小難しい言葉を並べるよりも、やる気を伝えられるかの方が大事な場合も多いです。
面接における説明は、説得するような気持ちで行うのがコツです。
ちなみに、他社の選考状況の質問のあとには、大抵会社の志望順位を聞かれます。
この時も、もちろん面接をしている会社の順位が高いほうが受かりやすいですが、あまりにもあからさまに媚びを売っていると取られてしまってはマイナスです。
ここでも、企業側が納得のできる理由を説明できるようにしておきましょう。