転職時の履歴書と職務経歴書は何が違う?それぞれの書き方とは?

転職を決め、新たな会社へ就職をする際には、面接が必要です。その面接時に提出するものが「履歴書」と「職務経歴書」ですが、それぞれの違いが何か、ハッキリ答えられる方はいますでしょうか?
今回は、転職時に重要な「履歴書」と「職務経歴書」です。
これら2つの違いが何か、また、どのように書くのが正しいのか、社会人として答えられるようにしておきましょう。
INDEX
1.履歴書と職務経歴書の違い
履歴書と職務経歴書の違いが分かっていないと、書く時にもミスをしてしまったり、採用者の求めていることを伝えられなかったりと、何かと困ります。
まずは、この二つの書類の違いをハッキリさせ、その違いを理解した上で作成していきましょう。
履歴書
履歴書は自分の基本情報(生年月日・学歴・資格等)を伝えるための書類です。
これは、採用担当所へ対して初めにアプローチする為の大切な資料となります。履歴書作成時の基本的なルールや履歴書の書き方から、人間性までも見えてしまう為、注意が必要です。
また、良い印象を与えるための「見た目」も重要と言えます。
職務経歴書
職務経歴書は、今までの自分の「経歴」「経験」「スキル」等を細かく記載し、自分が貴社に対して貢献できるということをアピールするための書類です。
職務経歴書では決められた書式がない為、貴社の求める人材と思ってもらうためにもより簡潔に、中身は具体的にまとめ、アピールすることが求められます。
また、書き方にも工夫し、見出し等を付け、見やすくまとめるのも重要です。
2.履歴書の書き方
①写真
・濃いめのスーツを着用
・清潔感を持った服装、派手すぎないメイクと髪型
・口角を少し上げ、目はなるべく見開いた状態で好印象
証明写真で思った以上に暗い印象に見えてしまうというのは、誰もが経験していることかと思います。暗い印象を与えないためにも、少しにこやかに落ち着いた印象で撮影できることが理想です。
②基本情報(プロフィール)
・氏名は戸籍上のものを記入
・「フリガナ」の場合はカタカナ、「ふりがな」のようにひらがなの場合はひらがなで記入
・印鑑の捺印がある場合は、真っすぐかつ奇麗に押す
・生年月日は和暦か西暦表記(送付日・職務経歴書と統一)にし、年齢は送付時の年齢を記入
・住所の省略はせず都道府県から記入し、市区町村のふりがなも記入
・連絡がつきやすい電話番号を記入
・メールアドレスは個人のものを記入(会社のものはNG)
履歴書によっては印鑑の欄がないものもあります。その場合は、捺印の必要はありません。
印鑑を必要とする場合は、シャチハタではなく認印を使用しましょう。また、欠けていたり二重押し等は無いようにしてください。
③学歴・職歴
・学歴の始まりには一行目に「学歴」、職歴の始まりには「職歴」を記入
・「学校名」「学部(学科名)」すべて省略せずに記入
・基本的には、中学校の卒業から記入し、“同”や“〃”の使用をしない
・年度の記入は和暦か西暦で統一
・社会人での経験を、雇用形態(昇進や昇格等)を明らかにし、記入する
・短期間の勤務の場合も隠さず全て記入
・退職している場合は「以上」、在籍している場合は「現在に至る」、退職予定日が決定している場合は、「○月末退社予定」等を記入
職歴を見て、勤務期間が短い場合は、担当者から質問を受けることが多々あります。その場合に、短期間勤務の理由をしっかり答えられるようにしておきましょう。
④免許・資格
・基本的には取得順に記入するが、貴社に関連するものから優先し記入
・貴社に全く関係のないものは省略
・貴社に関係するものを勉強中の場合は、「取得のために勉強中」と記入
「普通自動車免許」も重要な免許の為、忘れずに記入します。
資格の記入は2級以上が望ましく、免許・資格が何もない場合は、「特になし」と記入をします。
⑤志望動機・通勤時間
▪貴社の魅力・貴社に応募をした理由を分かりやすく記入
▪自分がどのように貢献できるかも記入
▪通勤時間は自宅を出てから貴社に入るまでの時間を5分単位で記入
志望動機は履歴書内で自由にアピールすることができる最大のポイントです。ここでミスがあってはなりません。
“貴社に入社したい”という思いを文章でどれだけ伝えられるかが大きな鍵となります。
⑥本人希望記入欄
▪基本的には、何も記入をしない
▪募集されている職種・勤務地が多く、選択可能な場合にのみ、希望を記入
▪希望給与額を記入すると不利になるため、記入はしない
“本人希望記入欄”とは書かれているが、貴社の募集内容を見て応募をしているため、基本的には“貴社に従う”という気持ちで臨むようにします。
どうしても無くせない希望条件がある場合は、その理由を明確にし、記入をする。
3.職務経歴書の書き方
職務経歴書に決まった書式はありません。ですが、見やすくまとめることが重要です。手書きでも問題ありませんが、まとめやすさや見やすさを考えると、パソコンを使って作成することをおすすめします。
ここでは、職務経歴書に書き込む基本的な項目例を、ご説明していきます。
①タイトル・日付・氏名
▪始めになるべく大きな文字・太字で「職務経歴書」と記入
▪日付・氏名は右寄せで記入
日付は和暦か西暦、履歴書と統一になるようにしましょう。
②職務概要と要約
▪職務要約は長くならないように4行程度にまとめる
▪現在に至るまでの経歴や、行ってきた業務内容等を記入
▪貴社に貢献できることを挙げ、アピールするのも良い
自分の過去の経験をまとめ、採用者に好印象を与えられる内容にまとめられるのが望ましいです。自分の人生を簡潔にまとめられていることも、採用者に評価されるポイントです。
③勤務中の企業の情報
退職されている方は、退職される前の会社の情報を書くようにしましょう。
自分が勤めていた会社がどういうもので、どのようなことをするのかを知ることで、採用者は自分をよりよく知ることができます。書く内容としては、「業界」「事業内容」「同業界内でのポジション」等です。
④職務経歴
▪転職経験があり、勤務経験が2社以上ある方は、古い方から順に記入
▪年表のように書くのではなく、自分は何ができて、どんなことをやってきた人物かをわかるように伝える
▪分かりやすく伝えるために数字を活用
▪関わってきたプロジェクト等があれば、それも記入
職務経歴を書く場合の注意点として、社内用語を使ってしまうことです。会社にとっては大きなプロジェクトでも、採用担当者にはどういうプロジェクトなのか分かりません。第三者が聞いて、分かる言葉で記入していきましょう。
また、「成績はトップクラス」と書いても、どの程度のトップクラスなのか疑問が芽生えます。「500人いる従業員の中から、トップ10に入るほどの成績」と書いた方が、分かりやすく伝わりやすくなります。
⑤資格・免許
▪履歴書内で伝えられなかって内容を細かく記載
▪資格を取得し、業務内でどのように役立っているのかも書けると良い
間違えてほしくないのが、“いっぱい書かれている方が評価が良い”ということです。確かに、資格をたくさん持っていることは、人生において役立つかもしれませんが、採用者が見ているのは、資格の数ではなく取得した資格が業務内でどこまで活用されているかということです。
資格を取得しても、業務内で役立っていなかったら、評価されません。
⑥自己PR
▪得意分野や成功した体験談等をアピールとして記入
▪「○○だから〇〇ができる」のように根拠を明らかにしながら記入
▪1つに定まらず自己PRは多数用意
自己PRは自分を売り込む材料の一つです。自分を知ってもらうために必要なものであり、自分の事をよく理解していると思ってもらうためにも、具体的な内容でまとめられるようにしましょう。
また、あくまで貴社に対してのアピールの為、貴社が全く関係のないアピールになると、評価が下がってしまう可能性があるので気を付けましょう。
4.ぞれぞれのポイント
ここまでで、これら2つがどういうものでどんな役割を持っているのか、また、書き方についてもご説明してきました。
次に、それぞれを記入する際のポイントについてご紹介します。記入の際には以下の事に気を付けながら進めていきましょう。
履歴書
▪基本的なルールを守って記入されている
▪楷書かつバランス良く記入されている ▪誤字脱字がない ▪書き間違えは修正テープ等の使用はせず、書き直しをしている ▪年月の間違えがない ▪和暦か西暦のどちらかに統一されている |
職務経歴書
▪過去の自分の経歴が分かりやすくまとめられている
▪勤務先情報や自分の役割が記入されている ▪勤務中に行ってきた業務内容が記入されている ▪過去の業務でどんな結果を出し、活躍してきたかが明らかにされている ▪貴社に対してどんな姿勢で業務を行いたいか記入されている ▪自分がアピールできるポイントを簡潔にまとめている |
まとめ
今回は、転職時の「履歴書」「職務経歴書」についてご紹介してきました。
社会人として知っておかなければならない事でもあるため、しっかりと復習しておきましょう。また、簡単な言葉でまとめるのではなく、入社したいという気持ちを文章から伝えることが大切です。
記入の際の最低限のルールをおさえ、希望する企業への就職を目指しましょう。